町では、「岡垣町第3次健康増進計画」を策定し、地域とともに住民の健康づくりに取り組んでいます。
今年度は、遠賀中間医師会おんが病院の矢田親一朗院長と吉田哲郎副院長などを講師に迎え、健康づくり講演会をいこいの里で開催し、多くの人に参加していただきました。
10月15日開催 「血圧・朝活・130 ~血圧130未満を目指す!朝活から始める健康習慣~」
講師 遠賀中間医師会おんが病院副院長 吉田哲郎先生
高血圧や循環器病等の専門医として、幅広くご活躍です。
広報おかがきで令和6年9月号から令和7年8月号まで12回にわたり、「血圧管理で安心生活!」をテーマに血圧に関する情報を紹介していただいたほか、健康づくり講演会の講師など、町の健康づくりにご協力いただいています。
講演の概要

高血圧をそのままにしておくと、心不全などの生命にかかわる病気につながっていくことがあるため、血圧管理がとても重要です。
そのため、血圧130未満を目標とし、毎朝、正しい方法で血圧を測ることや、食事では、減塩、体から塩・水を出すためにカリウムを取ることなど、具体的な方法を分かりやすく説明していただきました。
参加者からは、「大変参考になった」「日常生活で取り組んでいきたい」という声が多く聞かれました。
吉田先生も、参加された皆さんに、高血圧予防のサポーターとして周りの人に血圧対策の大切さを伝えていき、町全体で血圧対策に取り組み健康になっていってほしいと話されていました。
講演の主な内容
血圧の目標値は130未満
高血圧になると心不全、脳卒中などのリスクが高まり、さらに145を超えると、それらの病気の発症がより増えることが分かってきました。
治療管理は、血圧を130未満にすることを目標にしましょう。
最近は、20歳代の若い世代から高血圧や心不全の人が増えてきています。若い時から注意が必要です。
排塩=体内の余分なナトリウムの排出
主に食塩の形で摂取されるナトリウムは、取り過ぎると高血圧につながります。そこで注目されるのが、野菜や、果物などに多く含まれるミネラルの一種「カリウム」です。カリウムには、体内の余分なナトリウムの排出を促す働きがあります。日本人は食塩の摂取量が多いため、カリウムを多く取ると高血圧予防に役立ちます。
注:腎臓の働きが低下している方は、カリウムの摂取量に注意が必要な場合があります。主治医に相談してください。
カリウムが多く含まれる食品:ほうれん草、トマト、ジャガイモ、バナナ、アボカド、牛乳など
朝の血圧を知るために、正しい方法で血圧を測ることが大切です
- 正しいタイミングで朝に測定する
起床後30分から1時間以内、トイレに行ったあと、朝食や飲水の前、薬を飲む前 - 椅子に座って1分から2分ほど経ってから測定する
- 薄手のシャツ1枚なら着たままでもよい
- カフは心臓と同じ高さで測定する(目安は乳首の高さ、手首式の血圧計を使っている人も同様)
- 足は組まない
- 1週間の平均を出して血圧が130を超えていないかを確認する
10月28日開催 「あなたの大腸、大丈夫?うんこチェックで開ウン!」
講師 遠賀中間医師会おんが病院院長 矢田親一朗先生
消化器の専門医として、幅広くご活躍です。
胃カメラ検診では遠賀中間医師会胃内視鏡検診委員会委員長を務められ、町の胃がん検診の精度管理にご尽力いただいています。
講演の概要

大腸の仕組みや働き、大腸がんの現状、進み方と検査や予防策などについて、さまざまな画像や実物の大腸内視鏡カメラなどを通して、詳しく説明していただきました。
予防には、大腸がん検診を毎年続けて受けることや便のチェック、またリスクを高める食事を控えめにし、塩分を控えた栄養バランスの良い「昭和の食事」を心がけること、禁煙、節酒が大切とのことでした。
参加者からは、「大腸がんが多いことや大腸検査が詳しく分かった」「大腸がんの進み具合が見られ分かりやすかった」「大腸がん検診を受けることが大事だと痛感した」などの声がありました。
講演の主な内容
近年のがんの罹患数の第一位は大腸がんで、死因は男性2位、女性は1位です。
年に1回は大腸がん検診を受けましょう
町が実施する大腸がん検査(便潜血検査)を毎年受け、結果が陽性のときは、必ず精密検査(大腸内視鏡検査など)を受けることが大切です。
町のがん検診の内容については、下の関連リンク「岡垣町のがん検診について」を見てください。
がんにならないようにするには
- リスクを高める食事を取りすぎない(高脂肪食、加工肉など)
- 「塩分を控えた昭和の食事」が良い(一汁三菜スタイルで栄養バランスが良いもの)
- 禁煙
- 節酒(アルコールを分解してできるアセトアルデヒドに発がん性があるため)
便の状態を確認しましょう
便は腸からの「お便り」です。排便回数の変化や便の形、色などを確認することは、自分自身の健康状態を知ることにもなります。
便の状態を良くするためにも、規則正しい生活、バランスの良い食生活や適度な運動など生活習慣を見直してみましょう。
10月15日、28日開催 「健活イベント(血管年齢・ベジチェック・老化物質測定)」

講演会当日、町と連携協定を締結している明治安田生命保険相互会社による「健活イベント」を実施しました。
参加者は「いろいろな測定をして、自身の体を知ることができて参考になった」と喜んでいました。
11月28日開催 調理実習「減塩でおいしく、野菜をもっと。家庭で実践できる調理実習」
講師 栄養士 宮本 和光先生
病院や行政の栄養士として活躍され、現在は慢性腎不全治療食調理教室「あじさいの会」の講師を務めています。
岡垣町をはじめ県内で、食を通じた健康づくりに尽力されています。
講演の概要
岡垣町食生活改善推進会の協力もいただき、減塩で、野菜もたくさん取れる方法を調理実習で学びました。
また、自宅で普段飲んでいる味噌汁を持参していただき、塩分濃度測定を行い、塩分が高くなっていないか確認していただきました。参加者からは、「塩分控えめなのに満足のいく味わいで驚いた」「普段の食事でも、もっと野菜を食べるように意識したい」「楽しく調理ができ自宅でも実践したい」などの声がありました。
調理実習のレシピは、下の関連ファイル「健康づくり講演会調理実習レシピ」を見てください。

