本来暖かい海に生息し、主に関東から以西の太平洋岸で繁殖するアカウミガメ。九州では宮崎や鹿児島の浜辺での物語と思っていたのが、黒潮の支流に乗って三里松原の浜にまでたどり着いているなんて、何ともうれしい話ではありませんか。
毎年のことですが、今か今かと産卵を心待ちにしています。産卵に来るか来ないかは海がめのみぞ知るといったところですが、それこそが岡垣町のキャッチフレーズ「海がめもかえる町」の所以(ゆえん)なのです。
夏が近づくとまた、うみがめの季節
6月から7月下旬にかけて、アカウミガメは三里松原にやってきます。でも毎年というわけではないようです。それにはいくつかの条件があるようですが、まだ詳しいことはよく解ってないのが現状です。初めて産卵が確認されたのは平成4年のことでした。
- 産卵・孵化状況は下の関連リンクをご覧ください。
きっと満潮のとき
毎年、産卵に来るか来ないかという状況でもあり、鹿児島・宮崎のように頻繁にならともかく、多くて3回程度の産卵のようです。なかなか産卵風景をとらえるのは困難ですが、それでも朝、亀が上陸した跡がありますから、それで確認できています。
その足跡から判ったことは、たぶん潮に乗って上陸し、そして満潮のうちに帰っているということです。産卵が確認されると、その場所がわかるように柵を作って保護しているのですが、将来は、柵を作らずに、まったくの自然のままにするのが理想です
60日後の静かな夜明け
卵がかえるのは産卵から約60日後、生まれたての子亀は静かじゃないと出てきません。そろそろ生まれそうだと人が集まって騒いでいては、絶対に砂の中からでてこないのです。一匹が這い出して海に向かいだすと、後は次々に我先にと這い出してきます。こうなると後は人が集まっていても、どんどん出ていきます。いつまでも、海がめが安心して産卵にやってこれる、そんな場所を作ってあげたいと思います。それが岡垣町の自然の豊かさをあらわすことになるのですから・・・