「熱中症」は、高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。屋外だけでなく室内で何もしていないときでも発症し、救急搬送されたり、場合によっては死亡することもあります。
熱中症の正しい知識を身に付け、体調の変化に気を付けるとともに、周囲にも気を配り、熱中症による健康被害を防ぎましょう。
熱中症の症状
以下のような症状が出たら、熱中症にかかっている危険性があります。
- めまいや顔のほてり
- 筋肉痛や筋肉のけいれん
- 体のだるさや吐き気
- 汗のかき方がおかしい
- 体温が高い、皮ふの異常
- 呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない
- 水分補給ができない
このような症状が出ないよう、日頃から熱中症の予防・対策を行いましょう。
熱中症の予防・対策
いつでもどこでも誰でも、条件次第で熱中症にかかる危険性がありますが、熱中症は正しい予防方法を知り、普段から気を付けることで防ぐことができます。
特に注意が必要な時期
- 5月の暑い日
- 梅雨の晴れ間
- 梅雨明け
- お盆明け
初夏や梅雨明け・夏休み明けなど、体が暑さに慣れていないのに気温が急上昇するときは特に危険です。
無理せず、徐々に体を慣らすようにしましょう。
暑さに負けない体づくりと、生活の工夫
水分をこまめに取ろう
喉がかわいていなくても、こまめに水分を取りましょう。
スポーツドリンクなどの塩分や糖分を含む飲料は水分の吸収がスムーズにでき、汗で失われた塩分の補給にもつながります。
塩分をほどよく取ろう
過度に塩分を取る必要はありませんが、毎日の食事を通してほどよく塩分を取りましょう。
大量の汗をかくときは、特に塩分補給をしましょう。ただし、かかりつけ医から水分や塩分の制限をされている場合は、よく相談の上、その指示に従いましょう。
睡眠環境を快適に保とう
通気性や吸水性の良い寝具を使い、エアコンや扇風機を適度に使って睡眠環境を整え、寝ている間の熱中症を防ぐと同時に、日々ぐっすりと眠ることで翌日の熱中症を予防しましょう。
気温と湿度をいつも気にしよう
自分のいる環境の気温や湿度をいつも気にしましょう。
屋内の場合は、日差しを遮ったり風通しを良くすることで、気温や湿度が高くなるのを防ぎましょう。
室内を涼しくしよう
扇風機やエアコンで室温を適度に下げましょう。
過度の節電や「この程度の暑さなら大丈夫」と我慢してはいけません。
日差しを避けよう
帽子をかぶったり、日傘を差したりすることで直射日光を避けましょう。
また、なるべく日影を選んで歩いたり、日影で活動したりするようにしましょう。
冷却グッズを身につけよう
冷却シートやスカーフ、氷枕などの冷却グッズを利用しましょう。
毎日の生活で使えるものから夏の寝苦しさを和らげるようなものまで、さまざまなグッズがあります。
首元など太い血管が体の表面近くを通っているところを冷やすと、効率良く体を冷やすことができます。
もし熱中症かなと思ったときは・・・
- 涼しい場所へ移動しましょう
- 衣服を脱がし、体を冷やして体温を下げましょう
- 塩分や水分を補給しましょう (嘔吐の症状が出ていたり意識がなかったりする場合は、無理やり水分を飲ませることはやめましょう)
- 自力で水が飲めない、応答がおかしいときは、ためらわずに救急車を呼びましょう