令和8年度岡垣町一般会計予算のご審議をお願いするにあたり、私のまちづくりに対する基本姿勢と予算の概要を申し上げ、議員ならびに住民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。
令和8年度 岡垣町長施政方針
はじめに
はじめに、国政においては、第2次高市内閣が発足しました。同内閣では「責任ある積極財政」を掲げ、「財政の持続可能性を確保しながら、大胆な投資により、力強い経済成長につなげ、税収の増加を通じて、さらなる投資を可能とする投資と成長の好循環を生み出す」としています。さらに、「補正予算を前提とした予算編成と決別し、経済成長による税収増なども勘案しながら、必要な予算は当初予算で措置する」という方針も示されました。国の令和8年度予算はその第一歩とされ、昨年12月に閣議決定された令和8年度予算政府案は、一般会計総額で122兆円を超える過去最大の額となりました。地方財政対策としては、地方交付税が前年度より1.2兆円増加し、20.2兆円とされ、また、ガソリン税等の当分の間税率いわゆる暫定税率の廃止による減収分については、地方特例交付金によって全額補填される措置が講じられており、地方歳出の増加を踏まえた一般財源の総額が確保されています。一方で、これまで国の補正予算を活用して進めてきた教育施設などの施設整備への影響も懸念されます。また、消費税減税をめぐる議論が進む中、飲食料品に係る消費税減税が行われた場合、福岡県では年間約444億円の減収が予測され、その内、222億円は県内市町村への交付金にあたるため、本町では約1.2億円の減収が見込まれます。本町の歳入の23%を占める地方交付税や各種交付金は重要な財源であるため、今後の減税や税制見直しによる地方の財源のあり方、さらには国と地方の役割についての議論を注視する必要があります。国の動向をしっかりと把握し、機動的かつ柔軟に対応していきます。
動向をしっかりと把握する点では、国際情勢についても注視が必要です。イスラエルと米国は2月28日にイランに対する攻撃を行ったと発表しました。この中東情勢の不安定化は国際平和を脅かすだけでなく、ホルムズ海峡の航行への影響が原油価格の高騰を招き、国民や住民の生活に深刻な影響を及ぼすことが懸念されるため、国際情勢及び国の動向を注視しておかなければならないと考えています。
さて、第6次総合計画の中間評価に伴い実施した今回のアンケート調査では、「住みやすい」という回答が85%を超え、計画策定時より13%増加する結果となりました。その理由として、町の魅力の一つである「自然が豊かだから」などが引き続き高い評価となっていますが、その他の項目において、「防犯体制が整い、交通事故や犯罪等が少なく安心して生活できるから」を理由に挙げた方の割合が、突出して上昇する結果となりました。また、本町の人口当たりの刑法犯認知件数は県内でも少ない水準を維持しており、この成果は、日頃から子どもたちの登下校時の見守りや交通安全誘導、青色回転灯装着車での巡回パトロールなど、地域に誇りと愛着を持ち活動していただいている住民の皆様のおかげであると思います。
また、昨年12月に発表された民間企業による「街の幸福度&住み続けたい街ランキング2025」では、本町が4年連続で高評価をいただきました。このことは、住民の皆様とともに進めてきたまちづくりに対する評価であると考えており、様々な分野での多くの住民の皆様による活発な地域活動、ボランティア活動に対し、改めて感謝申し上げます。
まちづくりの基本姿勢
次に、私の令和8年度のまちづくりの基本姿勢について申し上げます。
私のまちづくりの基本姿勢は、昨年の施政方針でも述べましたように、数十年先の岡垣町を見据えながら、今必要な施策を着実に実行するとともに、現在暮らしている住民の皆様の幸福度を高める取組みを同時に進めることで、第6次総合計画が掲げる目指すまちの将来像、「自然と共生する しあわせ実感都市 岡垣」の実現を目指していくという考えは変わりません。
まずは、人口減少下における持続可能なまちづくりへの取組みについて述べさせていただきます。
急速な人口減少及び少子高齢化などにより、全国的に人材不足が深刻化しています。生産年齢人口はピーク時から約1100万人減少し、地方自治体では専門人材等の人材不足が喫緊の課題となっており、今後は一般事務職を含め人材不足がさらに深刻化することが予想されています。
本町においても、職員採用試験への応募者数が減少し、採用試験の結果、募集人数が確保できず追加募集を実施する傾向が続いており、特に技術職については予定した採用者数を確保できないことが常態化しています。
このため、令和7年度中に策定する「人材育成・確保基本方針」に基づく取組みを計画的に推進していきます。職員が全体の奉仕者として、公共の利益のために公正な職務を発揮できるよう、組織力を高めるとともに、働き方改革と働きやすい職場環境を整えることで、人材の育成と確保につなげていきます。
また、業務の効率化と生産性を向上するために、デジタル化やAIの活用などによるDXを推進するととともに、遠賀郡内及び北九州都市圏等との広域行政の展開や民間企業等との官民連携の取組みにより、行政サービスの提供を持続可能なものにしていきたいと考えています。
少子化による急速な人口減少も深刻な課題であり、本町でも昨年一年間の人口減少数が370人と過去最多を記録するなど顕著な影響が見られています。建築資材価格の上昇により新築住宅の価格が高騰し、住宅購入の減少につながっていることも、人口減少の一因となっていると考えられます。
このように大きな流れである人口減少への対策には、数十年先を見据えての効率的な行政運営が求められるため、公共施設の集約化や複合化、用途廃止などの取組みを進めて施設の総量を削減することや、学校施設の適正配置などに取り組むことが必要となってきます。今後の公共施設等の計画的な管理や個別施設ごとの整備方針を定めるため、附属機関による審議も踏まえながら、公共施設等総合管理計画の改訂に取り組みます。
また、人口減少の進行を少しでも抑え、少子高齢化が緩やかに進むよう努めなければなりません。このため、本町の地理的な利点を活かし、海老津駅周辺や居住区域の開発を積極的に誘導する一方、約900戸に及ぶ空き家の解消を進め、中古住宅を活用した定住促進の施策を令和8年度中に検討します。これにより、持続可能なまちづくりの基盤を築き、住民の皆様が安心して暮らせる町を目指していきます。
それでは、令和8年度のまちづくりの主要施策について申し上げます。
はじめに、岡垣サンリーアイの大規模改修についてです。
第1期施設は平成5年度、第2期施設は平成12年度に建設され、年間約40万人が訪れる文化・スポーツの拠点として、多くの住民の皆様に親しまれてきました。さらに、住民はもちろん、町外の方々からも「岡垣町といえばサンリーアイ」と言われるほど、本町を象徴する欠かせない施設となっており、この施設を町の中心に設置し、複数の異なる機能を1つの建物に複合化した当時の判断が、今日までの利用者数や施設の評価につながっていることを改めて実感しています。今回の改修計画は、建築から30年以上が経過したことを踏まえ、70年から80年の長期にわたり安全で快適に利用できるよう、適切な時期に補修や更新を行い、建物の長寿命化を図るものです。改修工事は長期計画となり、概算で総額35億円の費用を伴う大規模な工事となりますが、国の財源措置が講じられる「緊急防災・減災事業債」や、防衛省の補助金を活用し、町の財政負担をできる限り軽減します。また、施設利用者の利用上の制限が最小限となるよう配慮しながら、改修を進めていきます。
次に、交通インフラについてです。
国道3号岡垣バイパスでは、一昨年2月に4車線化及びフルランプ化が完了し、安全性の向上や事故発生時の町内道路の渋滞緩和に寄与しています。しかしながら、国道 495号と山田ランプ間の交通量が増加し、周辺住宅地の皆様の生活への影響が懸念されています。こうした状況を踏まえ、現在整備が進められている県道岡垣・宗像線バイパスの早期完成が重要であると認識しています。また、国道3号岡垣バイパス東交差点の横断歩道橋や県道原・海老津線バイパスの整備も含め、引き続き国や県に対して整備促進に向けた働きかけを進めていきます。
鉄道では昨年3月のJR九州のダイヤ改正により、全ての快速列車が海老津駅に停車するようになり、利便性が向上しました。今後も停車駅を維持するため、利用者数の増加と定着を目指し、積極的に利用を啓発していきます。
そして、昨年10月、西鉄バス松ケ台循環線が廃止されましたが、交通インフラは住民生活やまちづくりに欠かせないため、当該路線を維持し、町内のすべてのバス路線がコミュニティバスでの運行となりました。本町を取り巻く環境は少子高齢化などを背景に大きく変化しており、公共交通の在り方を見直す必要があります。そのため、現状の利用実態を十分に把握し、公共交通体系整備計画の改訂を進めていきます。
昨年8月9日から11日にかけての大雨では、道路や農業施設などに被害が発生し、その被害額は、約4億円に達する見込みです。この大雨は、過去最大の24時間降水量を記録し、災害対応に関する新たな課題が浮き彫りになりました。課題とされた道路の通行止めの周知については、町公式ホームページで通行止め箇所を分かりやすく地図に表示する形に改め、また、早期復旧を図るため、新たに庁内応援体制を整備しました。今後も継続的に災害対策の強化に努めていきます。
また、PFOS・PFOAへの対応では、芦屋基地に近接する糠塚水源の取水調整を行い、水道水については概ね定量下限値未満の状態を維持した水質管理を行っています。今後も定期的なモニタリング調査を継続し、本町の貴重な財産である地下水を守りながら、引き続き水道水の安全・安心を確保していきます。また、新規水源の開発を加速し、水資源の確保に努めるとともに、取水制限などに伴う水道事業運営経費の増加に対応するため、特定防衛施設周辺整備調整交付金を活用し、水道水の安定供給を行います。
学校教育現場においては、特別な配慮や支援が必要な児童生徒の増加や、一部の学校では児童生徒数の減少に伴い、複式学級編成の検討が必要になるなど、新たな課題が生じています。また、老朽化した施設への対応も喫緊の課題です。
学校施設の適正配置に向けた素案については、先の全員協議会で説明し、ご意見をいただきました。引き続き丁寧な説明を行い、様々な意見に耳を傾けるとともに、有識者や住民代表等による学校施設適正配置検討審議会の意見を伺い、数十年先を見据えた今後の方針を定めていきたいと考えています。また、岡垣中学校の施設整備に関しては、整備に向けた配置や工程について複数の素案を改めて慎重に検証し、議会への説明やご意見を伺ったうえで、最終的な方針を決定していきます。
そして、学校給食費の無償化については、多額の費用が必要となり、財政への影響が大きいことから、長年の課題となっていました。こうした状況の中、子育て世帯への経済的支援を目的に、令和6年度から家庭の教育費の負担が重くなる中学生の学校給食費を半額補助し、さらに小中学校の給食費に対する食材費の高騰分を補助してきました。そして、令和8年度からは、国の方針に基づき小学校の給食費を無償化します。併せて、国の制度が適用されない中学校についても、町独自の取組みとして給食費の無償化を実施します。また、食物アレルギーなどの理由で給食を食べられない児童生徒などの保護者には、給食費相当分の支援を行います。これらを通じて学校給食の質と量の維持や、保護者の負担軽減を図っていきます。
広域行政の推進については、今後人口減少が進む中における数十年先のまちの姿を見据えた場合に、住民に必要な基本的な行政サービスを継続して提供するためには、さらなる展開が重要性を増すと考えています。現在、本町では遠賀・中間地域広域行政事務組合を通じ、ごみ処理や消防などの事務を行っています。可燃ごみの処理については、北九州市に委託していますが、処理費用の増加が見込まれています。本町では、住民の皆様のご協力により、1市4町の中で一人あたりのごみ搬出量が最も少なく、ごみの減量に対する意識が定着していると認識しています。今後は、1市4町が連携し、ごみの再資源化を推進し、一層の減量化に取り組みます。遠賀郡4町による相互の連携体制をさらに強化しながら、北九州市を中心とした北九州都市圏域での様々な事業連携により、行政運営の効率化や質的向上を図るとともに、公共施設等の共同利用などについても検討していきます。
最後に、平和への取組みについてです。
先に述べましたように、イスラエルと米国によるイランへの攻撃による国際情勢の動向を注視することに加え、ロシアによるウクライナ侵攻から4年の歳月が流れましたが、停戦への出口は見えず、今なお激しい戦闘は継続しています。もし子どもたちから「なぜ今もロシアとウクライナは戦っているのか」「なぜ中東では争いが絶えないのか」と問われたら、私たちはどう答えるでしょうか。我が国においては、昨年は戦後80年という節目の年でした。本年1月には「岡垣町核兵器廃絶平和の町宣言事業」を開催し、町内の小学生が様々な形で平和について語る場を設けました。子どもたちだけでなく私たちも平和の重要性を学び、考える機会となり、非常に意義のある取組みであったと感じています。現在、直接子どもたちに戦争の悲惨さを伝える人が少なくなっている状況だからこそ、私たちは平和事業や平和学習を通じて、次世代に平和の大切さをしっかりと伝えていく必要があります。また、役場の庁舎敷地内の北側には戦没者慰霊塔があり、戦争で尊い命を失った412 人の名前が刻まれています。高齢化されたご遺族の方をはじめ多くの方が訪れることができるよう、庁舎駐車場から行きやすいスロープを設置する予定です。訪れる方々が戦没者を思い、平和の尊さを感じる場所として維持し、町全体で平和への思いをつなげていきたいと考えています。
令和8年度のまちづくり
次に、令和8年度予算と関連する諸施策を申し上げます。
令和8年度一般会計当初予算は、対前年比9億2千4百万円増の139億2千2百万円であり、過去最大の予算規模となりました。
第6次総合計画の基本目標に沿った新たな施策や重点的に取り組む施策は次のとおりです。
(1)自然を守り、活かし交流を生むまち
まず、「自然を守り、活かし交流を生むまち」です。
本町は、響灘に面した三里松原や孔大寺山、湯川山、美しい海岸をはじめとする豊かな自然に恵まれており、住民アンケート調査において住みやすい理由としてあげられています。この美しい景観は先人が守り続けた本町の大切な財産であり、自然がもたらす豊富な地下水などの貴重な資源を守ることは、極めて重要な課題です。こうした自然環境を保全するためには、官民が連携した環境保全活動が不可欠です。豊かな自然を未来に引き継ぐため、ボランティア活動団体と連携し、講座の開催などを通じて人材育成に取り組みます。
三里松原の保全に関しては、三里松原防風保安林保全対策協議会が実施する保全活動や人材育成の取組みを支援します。また、松林が直接住民の目に触れるように可視化を進めている西側地域においては、松を良好な状態に保つための間伐や遊歩道設置などの環境整備を計画的に進めていきます。
森林保全については、森林の荒廃を未然に防ぐために、県からの交付金を活用した人工林の間伐を実施します。また、森林環境譲与税を活用し、竹の侵入によって荒廃した森林の再生にも取り組みます。
北九州都市圏域における脱炭素先行地域の取組みとして、サンリーアイなどへ太陽光発電設備を設置し、再生可能エネルギーの導入を進めます。また、県では、響灘沖の洋上風力発電導入を推進しています。令和7年10月には、この地域が「有望区域」として格上げされました。このことを受けて、国や県、関係自治体、利害関係者が一体となった協議会が設置される予定のため、「促進区域」の指定に向けた本格的な協議に参画します。
(2)地域資源を活かし発展するまち
次に「地域資源を活かし発展するまち」です。
農業振興については、持続可能な地域農業と効率的な農業経営の確立に向け、認定農業者をはじめ小規模農家など地域の担い手に対し、機械や設備の導入支援を引き続き行います。また、農業生産の基盤となる老朽化した排水機場、農業用水路、井堰などの改修を行い、農業生産力の向上や作業の効率化、施設管理の省力化を図ります。さらに、有害鳥獣による農作物の被害を防ぐため、猟友会との連携による捕獲の推進や、侵入防止柵の導入支援を行い、人間と野生動物の棲み分けを創出するための緩衝林整備も進めます。これにより、農業被害の減少と農業者の生産意欲の維持に努めます。
漁業振興については、藻場の再生や有害生物の駆除活動への支援を引き続き行います。また、安定的かつ持続的な漁業活動に必要な漁港の施設設備の更新支援を行います。
商工業振興については、商工会と連携し、制度融資などによる経営支援や新規創業支援を引き続き行います。また、物価高騰に対応するため、物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金を活用し、電子クーポンの給付やプレミアム商品券の発行補助を行い、町内での消費循環を促進し、地域経済の活性化を図ります。
観光振興については、「ツール・ド・九州2024」の開催地である強みを活かし、サイクルイベントの開催を通じてサイクルツーリズムをさらに推進します。また、SNSを活用した効果的なPRを積極的に行うとともに、観光協会との連携を強化し、観光宣伝の充実を図ります。
(3)人・つながりが育つまち
次に「人・つながりが育つまち」です。
子育て支援では、安心して子育てができる環境を整えるため、切れ目のない支援を提供し、保育環境の充実に向けた取組みを進めていきます。
令和8年度からは、「こども誰でも通園制度」を実施します。実施施設と連携し、利用者への周知を丁寧に行い、事業の円滑な開始を目指します。さらに、制度開始後の利用状況を把握し、必要に応じて事業者と協議・調整を行い、保育提供体制の充実を図ります。
また、新たな民間保育所の令和9年4月開所に向けて支援を進め、保育サービスのさらなる向上を図ります。
母子保健事業では、5歳がことばの理解力や社会性の発達が進み、発達上の課題が認知される重要な時期であることを踏まえ、これまで実施してきた年中児巡回相談に加え、5歳児健診を実施します。この健診では、こどもの特性を早期に把握し、適切な支援を行うとともに、就学前後の切れ目のない支援体制を構築することを目指します。また、定期予防接種については、令和8年度から乳児のRSウイルス感染症の発症や重症化を予防するため、新たにワクチンの定期接種を開始します。
教育環境の充実に向けては、ICTの活用を安定的に実施するために、導入から5年が経過した小学校の電子黒板を更新します。また、学校施設の老朽化対策として、施設の更新や改修を計画的に進めていきます。そして、特別支援教育のさらなる充実を図るため、特別支援学級補助員の配置人数を6名増員し、在籍する児童生徒一人ひとりの発達状況に応じた支援を行います。
また、戸切小学校では児童数の減少に伴い、法律で定められた複式学級の基準人数を下回る学年があるため、複式学級を編成する必要がありますが、急激な教育環境の変化を緩和するため、当面の間、町費により講師を配置し、複式学級の編成を回避します。
町内小中学校体育館への空調設備導入は、令和7年度中に完了します。引き続き、地域活動やスポーツ活動、さらに指定避難所として利用される町民体育館と町民武道館への空調設備導入を進めます。
なお、令和8年度当初予算に計上する予定としていた町民武道館空調設備導入や小学校照明LED更新、海老津小学校受水槽改修、山田小学校普通教室改修については、国の補正予算による補助金などを最大限活用するため、令和7年度補正予算に計上し、前倒しして実施します。
(4)誰もが元気で自分らしく暮らせるまち
次に「誰もが元気で自分らしく暮らせるまち」です。
住民の健康づくりについては、「第3次健康増進計画」に基づき、健康意識の向上や健診受診率の向上を促進し、生活習慣病の発症や重症化を予防します。また、住民の健康意識を高め、日々の健康管理を支援するため、ふくおか健康ポイントアプリを活用した健康づくりにも力を入れていきます。
そして、帯状疱疹ワクチンの予防接種は、65歳になる方を対象に令和7年度から定期接種が始まりました。また、66歳以上の方も順次接種できるよう、令和11年度まで5年間の経過措置が設けられています。ただし、一部の方には令和11年度まで待っていただかなければならないため、希望する方が令和8年度中に早期接種できるよう、遠賀郡4町と中間市で連携し、任意の接種に対する助成を行います。
地域共生社会の実現に向けた取組みとして、地域住民が抱える複雑かつ多様な課題に対応するため、「福祉総合計画」に基づいて着実に施策を進めます。また、従来の分野別の支援体制では対応が難しい複数分野にまたがる複雑かつ多様な支援ニーズに応えるため、既存の相談支援や地域づくり支援の取組みを活用し、重層的支援体制整備事業を充実させ、包括的な支援体制の構築を目指します。
介護予防に関する取組みでは、普及啓発活動や地域の担い手の活動支援を行うほか、聴力低下による閉じこもりを防止し、高齢者の社会参加を支援することを目的とする「補聴器購入補助事業」に取り組みます。さらに、新たに高齢者の生活機能改善を目的とした短期集中支援プログラム「訪問型サービスC」を開始し、高齢者が安心して暮らせる環境づくりに努めていきます。
(5)安全・快適に暮らせる持続可能なまち
次に「安全・快適に暮らせる持続可能なまち」です。
これまで申し上げたとおり、空き家対策を通じた定住促進や交通インフラの充実に引き続き取り組んでいきます。そして、JR海老津駅周辺の整備においては、地権者の皆様に丁寧な説明を行いながら、事業用地の取得を着実に進めていくとともに、整備を予定している駐車場の設計に着手し、事業の推進に取り組んでいきます。また、自然災害の激甚化や頻発化に備えて、「緊急防災・減災事業債」の事業期間の延長が決定されました。令和8年度には、サンリーアイの大規模改修をはじめ、指定避難所となる公共施設の環境改善など、7つの事業にこの制度を活用します。引き続き、国の国土強靭化対策の動向をしっかりと注視しながら、災害に強いインフラ整備を進め、安全で安心できる地域づくりに努めます。
地域における防災力の強化については、自治区単位の自主防災組織の設立を促進するため、新たに作成した「自主防災組織設立の手引き」を活用し、未組織の自治区を中心に設立を働きかけます。また、既に自主防災組織が設立されているものの、活動が停滞している自治区も多い状況です。そのため、危機管理専門員による出前講座や自治区長会議を通じて、取組み事例を紹介するなど活動を支援します。
そして、令和11年5月に予定されているMCA無線サービスの終了に伴い、新たな通信手法での防災無線整備に向けた設計などの準備を進めます。
計画推進の基盤
次に、まちの将来像の実現を図るための「計画推進の基盤」についてです。
まず、地域コミュニティ活動についてです。
自治区については、加入率の向上や円滑な自治区の運営に向け、自治区長会と連携して継続して支援を行います。また、校区コミュニティについては、人材確保や組織運営を支援するための施策を実施していきます。
次に、自治体DXの推進についてです。
住民サービスの向上と業務の効率化を実現するために、自治体DXは重要な柱であり、引き続き取組みを強化していきます。約1年延期になった自治体システムの標準化については、本年9月ごろに新システムが稼働できるようにスムーズな移行に努めていきます。
また、住民サービスの利便性を高めるため、オンライン申請が可能な手続きの拡大や公金収納事務のデジタル化を推進し、迅速で便利な行政サービスの提供を目指します。
さらに、業務効率化の施策として、定型業務の自動化を進めます。職員が日常的に行っている業務をRPAで自動化することで、作業にかかる時間を短縮し、精度を向上させます。また、文書添削や資料作成などの業務には生成AIを適切に活用し、生産性の向上を図ります。こうした施策を通じて、行政サービスの質をさらに高めていきます。
次に、行政組織の活性化については、「人材育成・確保基本方針」に掲げる目指すべき職員像や組織像の実現に向けて、職員の資質及び能力の向上を図るための独自研修及び派遣研修を計画的に実施するとともに、意欲ある職員に対する自己啓発への支援により成長を促します。また、DX手法を活かした積極的な情報発信や採用管理システムの導入を進め、将来のまちづくりを担う優秀な人材の確保に努めます。
最後は、健全な財政運営についてです。
予算編成にあたっては、社会経済情勢の変化、物価上昇により、扶助費や人件費、物件費が前年度当初予算と比較して1割弱増加し、さらに行政のデジタル化に伴う運用保守費の増大など、経常的な経費が増えている状況です。加えて、岡垣サンリーアイの大規模改修や町民体育館の空調整備、道路や農業施設など老朽化した施設の更新・維持管理にかかる費用も増加しており、当初予算額は過去最大となりました。
さらに、今後も経常的経費の増加が見込まれ、岡垣中学校の施設整備などの大規模事業も続く予定です。持続可能なまちづくりを進めるためには、健全な財政運営が不可欠であり、長期的な財政シミュレーションを行い、これまで同様に財政規律を確保しながら、事業推進とのバランスを維持していきます。
また、大規模な施設整備を進める際には、国や県の補助金の最大限の確保に努めるとともに、地方債についても国の財源措置が講じられるものを活用していきます。その際、世代間の公平な負担と将来の財政負担を十分に考慮し、健全な財政を維持できるように取り組んでいきます。
今後の財政運営につきましては、国の経済動向や政策を的確に反映しながら、中長期的な視野を持った運営を行います。将来的な財政見通しを十分に考慮しながら施策を進め、将来への投資と持続可能な財政運営の両立を目指していきます。
むすび
以上が、私のまちづくりに対する基本姿勢と、令和8年度の主な事業の概要です。
令和8年度は、第6次総合計画の6年目の年となります。住民アンケート調査をはじめとする中間評価の結果を踏まえた事務事業の改善を図りながら、数十年先の岡垣町を見据え、今必要な施策を着実に実行するとともに、現在暮らしている住民の皆様の幸福度を高める取組みを同時に進めることで、「自然と共生する しあわせ実感都市 岡垣」の実現に向けて、全力で取り組む所存です。
議員ならびに住民の皆様のご理解とご協力を重ねてお願いいたしまして、令和8年度の施政方針とさせていただきます。

