食中毒は一年を通じていつでも発生しますが、高温多湿となる夏場は菌やウイルスが増殖しやすいため、集中して発生する傾向があります。ただ、食中毒を起こす菌がいないか、いても食中毒を起こす量まで増えていなければ発生しません。
食中毒を予防するために、次の3つの衛生習慣を守りましょう。
食中毒予防の3原則
- 菌やウイルスを「つけない」
洗う:手や食品、調理器具はしっかり洗う
包む:食品は包んで保存する - 菌やウイルスを「増やさない」
温度管理:常温で放置せず、冷蔵庫に保存する
早く食べる:作った料理は早めに食べる - 菌やウイルスを「殺菌する」
加熱:食品内部まで十分に火を通す
調理器具:定期的に消毒する
食中毒予防のポイント
買い物のときのポイント
- 魚、肉、野菜は新しいものを選ぶ
- 賞味期限などを確認してから購入する
- 魚や肉などは汁がもれないよう、ビニール袋に入れて持ち帰る
- 冷蔵・冷凍のものは最後に購入して、まっすぐ持ち帰る
保存するときのポイント
- 冷蔵・冷凍のものは買い物から帰ったらすぐに冷蔵庫に入れる
- 魚や肉はなるべく他の食品に触れないようにする
冷蔵庫の正しい使い方
- 冷蔵庫は10摂氏以下、冷凍庫は-15摂氏以下に設定する
- 魚や肉は、チルド室(0摂氏)、パーシャル室(-3摂氏)で保存する
- 詰める量は、全体の7割程度をめやすにする
- 温かいものは冷ましてから入れる
- ドアの開閉はすばやく、開ける回数も減らす
調理するときのポイント
- 調理の前に手をしっかり洗う
- 材料はよく洗ってから使う
- 魚や肉の汁が他の食材にかからないようにする
- 魚や肉を切った包丁やまな板は、必ずきれいに洗って熱湯をかけてから他のものを切る
- 下ごしらえなどで使用した菜箸(さいばし)やボウルなどは、洗ってから使う
- 包丁とまな板は、肉・魚用、野菜用など用途別に複数あるとよい
- 加熱するときは、しっかり中まで火を通す
- 電子レンジで加熱するときは全体に熱が伝わるよう、途中でかき回す
- 手に傷があるときは、ビニール手袋をして調理する
食べるときのポイント
- 食事の前に手を洗う
- できた料理はできるだけ早く食べる
- 生卵は食べる直前に割り、すぐ食べる
後片付けのポイント
- 残った食品を扱う前に手を洗う
- 残った食品は室温で保存せず、ラップをしたり、容器に入れて冷蔵庫で保存する
- 残った食品を温めなおすときは十分に加熱する
- 時間がたちすぎたり、ちょっとでもあやしいと思った食品は思い切って捨てる
台所や調理器具は清潔な状態にしておきましょう
- 台所の汚れはそのつどこまめに掃除をする
- ふきんは定期的に漂白剤や熱湯で消毒し、日光でよく乾かす
- まな板は表面の細かい傷に細菌が入り込んでいるので、しっかりこすり洗いをし、熱湯をかけるか漂白剤で消毒し、日光でよく乾かす。
食中毒が疑われたら
食中毒の主な症状
吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、頭痛、発熱、血便など
注:同じ食事をした人に同様の症状があれば、食中毒の可能性が高くなります。
緊急の場合の応急処置
- 脱水症状を防ぐため、何度かに分けて水分を補給させる
- 水分補給は、スポーツドリンクなどを利用する
- 嘔吐がある場合は、はきやすい体位をとり、窒息しないように気をつける
「もしかして食中毒かもしれない」と思ったら、すぐに医療機関を受診しましょう
- 注:受診前に胃腸薬や下痢止めを服用しないようにしましょう
感染を防ぐために
- 嘔吐物や便の処理は、ゴム手袋をしてする
- 触れてしまったらよく手を洗い、逆性せっけんや70%アルコールで消毒する
- 汚れた衣服は漂白剤などで消毒し、他の洗濯物とわけて洗い、日光で十分に干す